高校生・高専生が自由研究の成果を競うコンテスト「JSEC(ジェイセック)2024(第22回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」の最終審査会が24年12月上旬、日本科学未来館(東京)で開かれた。全国173校705人から過去最多となる404研究の応募があり、高く評価された35研究について最終審査会で成果が発表された。上位入賞した12研究は、25年5月に米国・オハイオ州コロンバスで開かれる世界大会「リジェネロン国際学生科学技術フェア(ISEF=アイセフ)」に日本代表として派遣される。
【荏原製作所賞】玉川学園高等部 3年 辻優里香さん、2年 浦口愛彩さん、1年 新倉里咲さん
模様の色は白と黒だけなのに、回すと紫や緑、黄色といった色が見えるように感じる「ベンハムのコマ」。色覚的な錯視がもたらす不思議な現象の解明に、3人それぞれの得意分野を融合させて成果に結びつけた。
毎週金曜、生徒がそれぞれのテーマを追究する同校伝統の探究学習「自由研究」で、辻さんが取り組んでいたのがベンハムのコマ。それに注目したのが、人工眼球を研究していた浦口さん。3Dプリンターの技術をもつ新倉さんが加わり、チームが結成された。
交通事故予防や目の治療への応用にも期待
眼球は光を取り込んで、その刺激を電気信号に変えて脳に伝える。眼球の視細胞は種類により、光への応答速度が異なっており、信号の遅延が色の錯視につながるという説がある。
まず、色はコマの模様の残像…