4月開幕の大阪・関西万博に向けて、大阪市は27日から市全域で路上喫煙を禁止する。市全域を対象にするのは政令指定都市で初めて。多くの海外客の来場が想定される万博を機に、クリーンな都市をPRする狙いだ。
市は2007年に路上喫煙防止条例を施行し、違反の場合は過料1千円を徴収してきた。ただ、禁止エリアはJR大阪駅や南海難波駅の周辺など6カ所に限られていた。
ルール厳格化のきっかけは万博の開催だ。22年に松井一郎前市長が「万博を実施する自治体として、受動喫煙のない大都市をめざす」と、エリアを市全域に広げる方針を決定。昨年3月に市条例が改正され、市全域の公道や公園での路上喫煙禁止が決まった。加熱式たばこも対象となる。
市はあわせて、駅周辺や公園を中心に喫煙所の整備を進め、万博の開幕までに新たに約200カ所が整備される。喫煙を取り締まって過料を徴収する指導員も、開幕までに100人まで増やす見通しだ。
また4月には大阪府の受動喫煙防止条例が全面施行される。客席面積が30平方メートルを超える飲食店は、専用の喫煙室を設けるなどの対策をしない限り、原則禁煙となる。
横山英幸市長は、「(万博は)大阪の魅力をアピールする絶好の機会。国際観光都市にふさわしい快適な美しい街の実現に向けて市民や事業者のご理解、ご協力をお願いしたい」と話している。