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群れで飛ぶトキ=新潟県佐渡市

 新潟県の佐渡島で保護・増殖の取り組みが続く国の特別天然記念物トキについて、環境省は14日、2026年度にも石川県の能登地域で本州初となる放鳥をする方針を固めた。同日の有識者による検討会で計画が了承された。石川県や同省は地震や豪雨に見舞われた能登の「復興のシンボルに」と期待する。

 計画では、26年6月にも15~20羽程度を放ち、その後も複数年続けて定着を図る。放すのは佐渡や、全国の飼育地で繁殖させた個体で、野生で生活する力をつけるために佐渡トキ保護センターで3カ月程度の訓練を受けたあと、能登半島に運ぶ。具体的な放鳥場所は今後調整する。

 能登半島は本州最後のトキとされる「能里(のり)」が1970年に捕らえられて佐渡に移されるなど、トキとのゆかりが深い。

感染症のリスク分散にも

 トキはかつて農薬の普及や乱…

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