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コスパ(費用対効果)やタイパ(時間対効果)がもてはやされ、合理的であることが良しとされる現代、人間にしかなしえない手仕事の尊さとは。1月27日~30日にパリで開かれた2025年春夏のオートクチュールウィークでは、過剰なほどの装飾や華やかな色、光で遊ぶような提案がそろった。
両手で口を覆い、深々とお辞儀をする。ヴァレンティノのフィナーレに登場したアレッサンドロ・ミケーレからは、自分の居場所を見つけたような喜びが伝わってきた。グッチの約7年間を経て、昨春、クリエーティブディレクターに就任。25年春夏のプレタポルテを経て挑んだ初のクチュールでは、自身が得意とする「装飾主義」の創作が一層深化したことを示した。
テーマはフランス語で「目が…