2003年に行方不明となり、7年後に雑木林で白骨化した遺体で見つかった川崎市高津区の会社員清野敏明さん（当時26）を殺害したとして、神奈川県警は6日、元同僚で川崎市麻生区上麻生6丁目の会社員酒井義幸容疑者（46）を殺人容疑で逮捕し、発表した。県警によると、「やっていません」と容疑を否認しているという。
逮捕容疑は03年10月ごろ、清野さんを川崎市内かその周辺で刃物のようなもので刺すなどして殺害したというもの。凶器は見つかっていないという。
捜査関係者によると、遺体には複数の傷があり、あばら骨には刃物で傷つけられたとみられる傷もあった。殺害後、遺体が遺棄されたとみて関係者から事情聴取したところ、川崎市の酒店の元同僚で、清野さんとトラブルがあったとされる酒井容疑者が浮上。10年と23年に任意で事情聴取したが、否認していたという。
清野さんは03年10月31日に酒店から帰宅せず、父親が翌日、県警に捜索願を出した。10年4月に高津区千年の雑木林で、白骨化した遺体が発見され、同11月にDNA型鑑定などから遺体を清野さんと断定。死体遺棄容疑の時効がすでに成立しており、刑事訴訟法改正で公訴時効が撤廃された殺人容疑で調べていた。
清野さんの遺族は6日、弁護士を通じて「今後の捜査を見守り、事実関係が明らかになることを静かに待ちたい。突然の逮捕の連絡で心情的にも大変動揺している」とコメント。清野さんの父親は10年、報道陣の取材に「息子はいつか帰ってくると思っていた。犯人がいるなら早く捕まって欲しい」と話していた。
