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 長く日本の美術界を導いた美術史家・美術評論家の高階秀爾が10月、92歳で世を去った。美術館や大学を拠点に、研究、啓発、そして文化行政に足跡を残した。世界に冠たる日本の展覧会文化を育てた一人であることは間違いない。

 その展覧会文化の2024年を見渡すと、まず気づくのが、ノーベル賞でも話題のAIに関する表現だ。斬新な画像を作らせ驚くという段階を超え、AIと表現の可能性が模索された。

 スプツニ子!が東京のギャラリーで開いている個展は、AIが生成した米国のIT系男性が議論する映像などAI時代の懸念と希望をあぶり出すものに。水戸芸術館の田村友一郎展も、AIで散文詩のような文章を生み出すATM(現金自動出入機)状の装置を作りつつ、自身の回顧展にもするという複雑な企てといえる。

 驚いたのは、クリエーター集…

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