自閉症で知的障害のある兵庫県姫路市の大西晃裕さん(33)が、20歳を過ぎて習い始めた書で初めての個展を開くことになった。
書いた文字の意味は、実はよく分かっていない。それでも先生の手本をもとに力強い作品を書きためてきた。
大西さんは月曜から金曜日まで障害福祉の事業所で働いている。仕事が休みになる土曜日は、朝からカレンダーの方を指さしては、そわそわしている。書道教室に通う日だからだ。
今月7日の土曜日の夕方、母親のみゆきさん(62)とともに、車で15分ほどのところにある姫路市香寺町の書道教室へやってきた。この日は「天の川」「太平洋」の二つの言葉を練習した。
「川」のような縦の線は得意だ。文鎮で押さえた紙がずれるぐらい、黙々と太く強い線を書く。「洋」のような偏とつくりのある字も、うまくバランスを取って書いていく。
1枚書いては先生のところへ…