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【島根】国家資格である2級建築施工管理技士補の試験を、松江工業高校(松江市)の建築都市工学科建築コース3年生16人が受験し、全員合格した。励まし合いながら勉強したことは、就職や進学で新しい世界に飛び立つ生徒たちの自信につながっている。
合格したのは2級建築施工管理技術検定の第1次検定で、2級技士補の資格が得られる。合格後3年以上の実務経験を経て第2次検定に合格すれば2級建築施工管理技士として、1級より工事の規模は小さいが、多くの専門業者が出入りする建築現場のまとめ役になれる。
生徒たちは昨年11月下旬の試験に向け、2学期から本格的な勉強を開始。放課後の2時間は補習に取り組み、希望者は土日も補習に参加した。建築都市工学科の山田晋吾科長は「生徒たちは施工管理を経験していないので、建築現場の様子をいかにリアルに伝えて分かってもらえるかがポイント」と話し、現場の動画や画像を多用して指導に当たったという。
生徒の大瀧哩玖(りく)さん(18)、金見光敏(ひろと)さん(18)、角功真(こうま)さん(18)らは、土日にJR松江駅前の複合施設の学習スペースに集まって勉強した。休憩を入れつつ午前10時から午後6時までしたことも。寸暇を惜しみ、通学のバスの中でスマートフォンの学習アプリで問題を解いた。
大瀧さんは、技士補の資格があると就職してから有利になるとして「みんなで頑張って勉強した。勉強範囲が広くて大変だった」。金見さんも「高校3年間で一番勉強した。やる気が出る機会をつくってくれた山田先生や友達に感謝したい」と振り返る。
16人は全員、卒業後の就職先や進学先が決まっている。角さんは「1人じゃ受からなかった。今までやってきたことを生かして、もっと上の資格を目指したい」と話した。