塩釜市魚市場=2025年2月10日、宮城県塩釜市新浜町1丁目、中島嘉克撮影

 宮城県塩釜市の魚市場でマグロやカツオなどを扱う卸売業者が漁船側と不適切な取引をしていた問題で、卸売業者が市の調査に、漁船側が求めた不適切な取引に応じたことについて「漁船からの要望を聞くことが最大の漁船誘致につながるとの思いから、誤った判断をした」と説明していたことがわかった。

 卸売業者は市に「一隻でも多くの漁船に水揚げいただくことが市の水産業の復興につながると考えた」と説明。不適切取引は東日本大震災の翌年から始まっており、水揚げを増やすために漁船側の要請に応じていたことが背景にあると主張している。

 県や市によると、卸売業者は漁船側の求めに応じ、2012年9月から23年3月までの10年超にわたり不適切取引を続けていた。具体的には、伝票を漁船名義と架空会社名義に分割し、架空会社名義分を現金で漁船側に渡していた。金額は約2億1300万円に上った。

「佐藤商店」「高橋商店」…報告書に取引の詳細

 朝日新聞は市が県に提出した…

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