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2021年7月、スマートフォンに表示されたSNSのアプリ=ロイター

 オーストラリア政府が16歳未満のSNS利用を禁止する法整備に動いている。法案が成立すれば世界初となる。子どもの性的被害やいじめを防げるとして歓迎の声がある一方、子どもの権利侵害だとの意見も出ている。

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 豪政府によると、現在検討されているのは、SNSを運営するプラットフォーム事業者に、16歳未満の子どもの利用に対する「合理的な措置」を求め、違反した事業者に罰金を科す内容。保護者や子どもへの罰則は設けない。

 規制対象となるSNSは動画投稿アプリ「TikTok」や写真投稿アプリ「インスタグラム」、X(旧ツイッター)やフェイスブックなど。ユーチューブの利用も禁止される可能性がある。保護者の同意を得ていても、16歳未満であれば利用禁止の対象となる。

 「SNSが社会に悪影響を及ぼしていることは周知の事実だ。若者の安全と心身の健康が最優先だ」。9月、豪州のアルバニージー首相はそう法整備の必要性を訴えた。

 豪公共放送ABCによると、豪州では今年、子どもの性的なコンテンツへのアクセスを防ぐための議論が活発化。SNSの利用制限はその対策として浮上したという。

世界で広がるSNS利用の年齢制限

 政府による規制当局「ネット…

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