米大統領選の投開票日が近づいてきました。民主党のカマラ・ハリス氏が「ガラスの天井」を破って女性初の米国のリーダーとなるのか。特別な思いを持って選挙戦の行方を見守っているのが愛知県日進市議の島村紀代美さんです。
5年前に市長選に立候補し、同市で初めての女性市長の座を目前にしながら僅差(きんさ)で敗れた島村さんに、ガラスの天井がどう見えていたのか聞きました。
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ハリスさんが大統領になるかどうか、大きな関心を持って眺めています。自分自身の経験がどうしても重なって見えますね。
私は2019年に愛知県日進市の市長選に立候補しました。市議経験者どうしの一騎打ちとなり、当時県内で初めての女性市長になる寸前でしたが、私は118票差で負けたんです。
選挙運動中の有権者の反応はとても良く、出口調査の結果も優勢と聞いていた。勝ったと思っていました。
敗れたことを知って真っ先に頭をよぎったのは、自分の力不足だったということです。女だから負けたとは思いませんでした。
でも少し時間を置いてみると、やっぱり女性が市長になるのは難しいんだなという思いもわき上がってきました。
女性だからという理由で選挙戦中にネガティブなことを直接言われたことはまったくなかったんです。
でも後になって「議員なら女性でもいいけど、市長はダメだ」という声もあったことを人づてに聞きました。
そのあたりの有権者の真意はなかなか見えづらいものです。表立って言う時代でもないし、まさにガラスの天井たるゆえんでしょうか。
男性の方が力強くて交渉力がある、頼りがいがあるというような幻想も根強いのかもしれません。
ただ、候補者としては複雑な思いがあります。
ハリスさんは選挙戦で自分が…