滋賀県が11月を「感染症を考える月間」として制定したことを説明する三日月大造知事=滋賀県庁

 滋賀県は、11月を「感染症を考える月間」として制定した。全国初という。新型コロナウイルス感染症の教訓を風化させることなく、冬の感染症流行に備える狙い。県庁内や関係機関との連携を強化するため、21日と27日に感染症対策総合訓練を実施。29日には「感染症危機について考える」をテーマにシンポジウムを開催する。

 訓練は県、保健所、消防、県警、病院、医師会などが参加する。新型インフルエンザに感染した疑いのある患者が発生したと想定し、オンラインで調査。診断や入院を調整して、患者を病院へ搬送し、感染症病棟で受け入れるなどの訓練をする。対策本部員会議の設置運営訓練や知事の模擬記者会見も行う。

 県は新型コロナ対応について、情報の伝え方などに問題があったと反省。情報を共有する平時からのリスクコミュニケーションが重要として、大規模な感染症が発生したらどうするのか、誰がどんな役割を担うのかなどを考えるシンポを企画した。

 シンポでは、日本環境感染学会リスクコミュニケーション委員長の中島一敏・大東文化大教授が、感染症発生初期に求められるリスクコミュニケーションについて講演。医療、保健、福祉分野の関係者が参加するパネルディスカッションでは、実体験を紹介しながら、今後の対応策などを議論する。

 現地会場は県危機管理センター(大津市京町4丁目)。オンラインでも参加できる。無料。申し込みは専用のQRコードから。問い合わせは県健康危機管理課(077・528・3584)。(武部真明)

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