暑さが際立った秋だが、11月は観測史上初の異常現象が相次いだ。読み解くキーワードは「蛇行した貿易風」と「高い海面水温」だ。

 11月上旬、赤道付近で東から西へ吹く貿易風が南北に大きく波打ち、日本の南の海上に反時計回りの流れと台風の卵を生み、11月では初めて4つの台風が並んだ。

 貿易風の蛇行によって発生する台風は、台風全体の10~20%程度との報告もあり、九州大の川村隆一教授(気象学)は「そもそも台風の発生数が減少する11月に、貿易風由来の台風が4つも共存するのはかなりレアなケース。今後の詳しい解析が必要」と述べる。

温暖化で増える大雨

 もう一つが、海水温の高さだ…

共有