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ヒーローインタビュー後、ファンに手を振るソフトバンクの山川=有元愛美子撮影

 (27日、プロ野球日本シリーズ第2戦 福岡ソフトバンクホークス6―3横浜DeNAベイスターズ)

 ソフトバンクの山川穂高は確信が持てなかった。

 「打った瞬間どうなるかと……」

 横浜の夜空に高く舞い上がった打球が左翼席最前列に吸い込まれると、ようやく笑みがこぼれた。

 一回2死一塁。1ボール、2ストライクからの4球目だった。真ん中に入ってきた119㌔のカーブを見逃さない。

 「フォークも頭に入れながらだったけど、うまく反応できた」と振り返った先制2ラン。初の日本シリーズでの初安打、初アーチが決勝点となった。

 プロ11年目。西武時代の2018、19年にリーグ優勝したが、クライマックスシリーズ(CS)最終ステージでいずれもソフトバンクに敗れた。

 初の大舞台。「短期決戦は1打席ずつが勝負。原点に戻って、来た球を打つだけ」。シンプルな心構えで臨んだ。

 準備は万全だった。日本ハムとのCS最終ステージを前に、宮崎でのフェニックスリーグ出場を志願。実戦感覚の維持とともに、しっかりと走り込んで体の切れを出した。

 日本シリーズでもチームよりも約1時間半前に球場入りし、ランニングなどで準備を整える。

 四回2死二塁で左前適時打を放つなど、3安打3打点。小久保裕紀監督は「山川は(好調の)ゾーンに入っている目をしている」と評価した。

 敵地で2連勝し、日本シリーズの連勝は「14」に伸びた。小久保監督は「あと二つ勝つだけです」。

 29日からは本拠で3連戦。一気に4年ぶりの頂点を狙う。(鷹見正之)

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