100人に1人が患うとされる統合失調症。患者たちが感じている世界観を体験し、病気への理解を深めてもらうイベント「完全没入ショールーム 100人に1人が体験する統合失調症の世界!」が、12~14日に東京タワー(東京都港区)1階で開かれる。
10月10日は、世界メンタルヘルスデー。心の健康にまつわる問題への理解を深め、偏見をなくすことを目的に、世界精神保健連盟が定めた。イベントは、啓発の一環として、製薬会社の日本べーリンガーインゲルハイムが企画した。
統合失調症は、考えや行動、感情などがまとまりを欠いた状態になる病気で、100人に1人の割合で発症するとされる。症状は主に「陽性症状」と「陰性症状」があり、妄想や幻覚などを見たり、突然興奮して叫んだりするほか、意欲の低下、無関心や無気力などが起こる。
イベントでは、和歌山県在住の作家で、自身も統合失調症を患うHimacoさんがまとめたコミックエッセーを題材に、陽性症状や陰性症状が表れているときの世界観を、「部屋」のインスタレーションで再現している。
Himacoさんは、22歳のころに発症し、幻覚に突き動かされて家の周りを歩き回っていたときの様子や、病気を自覚し、治療を受け、社会復帰を目指していく過程をコミックエッセーにまとめている。イベントでは、Himacoさんの体験を紹介するコーナーもある。入場無料。