写真・図版
渡辺洋次郎さん=遠藤真梨撮影

 心の健康への理解を深める「世界メンタルヘルスデー」(10月10日)を前に、オンラインでの映画の上映会や参加者のトークを柱にしたイベントが開かれる。今月24日から。

 精神障害の当事者や支援者らでつくるプロジェクトチームなどが2年前から、心の病への偏見をなくすきっかけにしようと主催している。

 今年は英国映画「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」(2016年)を上映する。薬物に依存しホームレス生活を送る男が、1匹の猫と出会って回復に歩み出すストーリー。今月24日から10月6日までに計5回、オンラインで上映する。各会とも上映後、参加者同士が感想や思いを話すシェアタイムもある。

 10月6日午後1時半からは、アルコールや薬物依存の当事者で、大阪市の依存症回復施設職員の渡辺洋次郎さん(48)が講演する。渡辺さんは著書「下手くそやけどなんとか生きてるねん。」があり、閉鎖病棟への48回の入院や服役経験を語ってきた。参加者と対話する時間もある。

 各回とも定員あり。参加無料。詳細や申し込みはサイト(https://tomys-cinema2024.peatix.com/)から。

 このほか、各地のリアル会場での上映会や、開催費用を募るクラウドファンディングも実施しており、いずれもサイトで案内している。

 世界メンタルヘルスデーは1992年、世界精神保健連盟が偏見をなくして正しい知識を普及しようと定めた。「シルバーリボン」をシンボルに、日本でも相談会や研修などが開かれている。(永田豊隆)

共有