衆院東京15区補選(28日投開票)が行われている東京都江東区で、衆院選や区長選に、この10年間で6回立候補した男性がいる。全て無所属。自称「丸腰の戦い」を終えた今、一人の有権者として選挙戦を見つめる。

  • 自民なき首都決戦、野党幹部と東京都知事ら論戦 自民批判か支持層か

 元国税庁職員の猪野隆さん(59)。2014~23年に、江東区長選に3回、衆院選に東京15区で3回、立候補した。23年4月の区長選では自己最多の3万4126票(得票3位。得票率17%)を得た。

元国家公務員が「丸腰」で挑んだ先は

 最初の挑戦は12年衆院選。「もっと政治で何が起きているのか有権者へ知らせるべきだ」と考え、退職して、日本維新の会公認で当時の東京11区(板橋区)から立候補し、落選。その後は故郷で挑み続けた。無所属を続けたのは、自らの主張を政党に左右されずに発信したいとの思いだった。

 同区は、昔ながらの下町地域と、タワーマンション群の湾岸エリアが共存する。地域によっては町会の存在感が大きく、住民に特定の政党や議員への投票を働きかける例もあると聞いた。「もっと候補者本人を見て投票してほしかった。支持政党が固まっている人が多かった」。その点、今回は、自民が候補を立てず、いつもと違う形の選挙戦となっている。

相棒は自転車 自らポスター貼りに回る日々

 猪野さんは普段から自転車で…

共有
Exit mobile version