産業革命前からの世界の平均気温の上昇が1.5度をいったん超えてしまえば、元に戻すのは難しい――。そんな結論を国際研究チームがまとめた。温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)の大量回収が必要で、環境への悪影響を回避できない恐れが高まるという。排出量を今すぐ減らすことが最も効率的だとした。
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論文は英科学誌ネイチャーに10日に掲載(https://doi.org/10.1038/s41586-024-08020-9)される。この研究にはオーストリアやドイツ、英国などから30人が参加した。
世界各国は温暖化対策の国際ルール「パリ協定」のもと、気温上昇を1.5度に抑える目標の達成を目指している。ただ、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、一時的に上昇幅が1.5度を超えた後、CO2を回収・貯蔵する「CCS」などを使って再び気温を下げる「オーバーシュート」シナリオも想定。チームはこのシナリオについて、約2千の気候モデルを使って分析した。
影響は百年単位 「後回しにしてはいけない」
まず、2100年までにオー…