日本銀行は29日、2014年7~12月に開いた金融政策決定会合の全議事録を公表した。追加緩和を決めた10月31日の会合では、2%の物価上昇率の目標実現への危機感を募らせる黒田東彦(はるひこ)総裁(当時、以下同)ら執行部と、審議委員の意見が対立。1票差という薄氷の採決までのやり取りが明らかになった。

  • 日銀幹部「追加緩和しなければ信頼崩れる」 10年前の議事録公表
記者会見で、ボードを使って追加緩和を説明する黒田東彦・日銀総裁(当時)=2014年10月31日午後、東京都中央区の日銀本店、北村玲奈撮影

 アベノミクスの柱として、黒田総裁が物価を前年比2%上昇させる目標を2年程度で実現すると宣言した「異次元」の金融緩和を始めて、約1年半が経っていた。

 口火を切ったのは、緩和に積極的なリフレ派として知られる岩田規久男副総裁だ。

 「経済・物価情勢の下方リス…

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