生活保護費を「1日1千円」などと分割で支給。そのうえ、合計額はその月に渡すべき最低生活費を大きく下回る――。

 群馬県桐生市の生活保護行政に関する問題が発覚したきっかけは、この「分割・満額不支給」問題だった。

「受給者のみなさまに深くおわび申し上げる」と頭を下げる群馬県桐生市の荒木恵司市長(左から2番目)ら=2023年12月、群馬県桐生市、川村さくら撮影

 生活保護を利用する男性から相談を受けた故・仲道宗弘司法書士が問題視し、群馬司法書士会は市長あてに要請書を提出した。昨年11月のことだった。

1日1千円ずつ窓口で渡す

 要請書などによれば、この男性は市の職員からハローワークで求職活動をすることを指導され、ハローワークに行った証明を見せることで、1日1千円ずつ市の窓口で保護費を受け取っていた。

 この男性の場合、生活費にあたる生活扶助費は月約7万円だが、分割で受け取っていた金額は3万円台にしかならなかった。指摘を受けて市は未支給分を男性に支払ったという。

 市は、この件を「不適切事案」と表現してきた。しかし仲道さんは、法で決められた金額を支給しないのは「違法行為」だとして、厳しく市を追及した。

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