生活保護費を「1日1千円」などと分割で支給。そのうえ、合計額はその月に渡すべき最低生活費を大きく下回る――。
群馬県桐生市の生活保護行政に関する問題が発覚したきっかけは、この「分割・満額不支給」問題だった。
生活保護を利用する男性から相談を受けた故・仲道宗弘司法書士が問題視し、群馬司法書士会は市長あてに要請書を提出した。昨年11月のことだった。
1日1千円ずつ窓口で渡す
要請書などによれば、この男性は市の職員からハローワークで求職活動をすることを指導され、ハローワークに行った証明を見せることで、1日1千円ずつ市の窓口で保護費を受け取っていた。
この男性の場合、生活費にあたる生活扶助費は月約7万円だが、分割で受け取っていた金額は3万円台にしかならなかった。指摘を受けて市は未支給分を男性に支払ったという。
市は、この件を「不適切事案」と表現してきた。しかし仲道さんは、法で決められた金額を支給しないのは「違法行為」だとして、厳しく市を追及した。
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その後、県が実施した特別監…