「暮らしに根ざしてきたありかたを、封建的だと批判できた気になってはいけない」=埼玉県所沢市、篠田英美撮影 ■哲学者・長谷川宏 《2008年、「生活を哲学する」という小さな本を出した。公民館で続けてきたセミナーや討議をまとめた》 編集者が企画した題名を、最初は据わりが悪いと感じてね。哲学の長い歴史の中で「生活」は軽んじられてきましたから。 でも振り返ると、僕が大学の研究室を去って市井の人々と読書…