「夏祭浪花鑑」=田口真佐美氏撮影、国立劇場提供

 劇場とは多くの職掌が支え合う有機体だ。新たな国立劇場設置の将来像がまったく見えない中、試行錯誤の興行が続く。今月は、歌舞伎向きに作られていない舞台・客席を巧みに活用した「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」の抜粋上演である。

 当代一の口跡(こうせき)を誇る彦三郎の団七と坂東亀蔵の徳兵衛。ともに…

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