目を見開き、こちらをにらみつける老僧が1人。強く印象に残る肖像画だ。描かれているのは、中国の僧侶・慧可(えか)(487~593)。禅宗を開いた達磨(だるま)の教えをついで、2番目の祖師となった人物だ。 慧可には、室町時代の画僧・雪舟が「慧可断臂図(だんぴず)」(国宝)に描いたことでも知られる故事…