「触“体-190 A & B”」=神奈川県立近代美術館蔵 (C)The Estate of Katsuro Yoshida / Courtesy of Yumiko Chiba Associates その展示空間では、空気が濃密になった。ぞわぞわと何かがうごめくような気配がする。吉田克朗が、粉末状の黒鉛を手でこすりつけて描いた「触」シリーズが並んでいた。 中でもこの作品は幅4メートル近い大きさで、粛然としながら圧倒的な存在感がある。深く柔らかい闇の中で、黄色や緑がじんわりと発光するかのようだ…