「琵琶湖に龍(りゅう)が舞い降りた奇跡の1枚」。ある写真がSNSで話題となり、注目を集めている。撮影したのは滋賀県長浜市在住の写真家・辻田新也さん(34)。この作品も含めた写真展「ただそこにあるもの」を大阪で開く。テーマに込めた思いとは――。
夕暮れの琵琶湖。空に立ちこめた雲の形が、ほえながら湖面へ降りて来ようとしている龍のようだ。向かう先に写っている竹生島は龍神伝説で知られる。そして、今年は辰(たつ)年。
6月11日に撮影した。辻田さん自身、その場で「龍」には気づかなかったという。ただ、「空の色合いがきれいで印象的だった」。大事な1枚と思ったが、なぜか「発表するのは今じゃない」と感じ、しばらく発表を控えていた。
8月5日にSNSにアップしたら、「龍みたい」とのコメントがついた。あっという間に評判となり、PVは100万を超えた。「いいね」は3・5万集まった。
この奇跡の1枚は、ただの偶然ではない。
辻田さんは22年10月以来…