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 東京高検検事長だった黒川弘務氏の定年を延長した2020年の閣議決定をめぐり、神戸学院大の上脇博之(ひろし)教授が関連文書を不開示とした国の決定の取り消しを求めた訴訟で、決定の一部を取り消した大阪地裁判決の確定を受け、国が文書を開示したことが26日、上脇氏の代理人への取材でわかった。すでに別の請求で開示された文書と同じものだったという。

 訴訟では、国家公務員法の定年延長規定を検察にも適用すると解釈を変えたのは、定年間近の黒川氏のためだったかが焦点となった。地裁判決は「黒川氏のため」と認め、一部の文書は開示請求の対象と結論づけた。

 国は、該当文書はすでに開示済みとして控訴しなかったが、小泉龍司法相は「解釈変更は黒川氏のためではない」という主張は変えないと説明した。

 上脇氏の弁護団は地裁判決の確定を受け、「国会での過去の説明は虚偽に当たる」と指摘。謝罪や真相究明などを法相に申し入れることを検討している。(山本逸生)

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