自民党福岡県連大会で講演する麻生太郎副総裁=2024年6月8日午前10時52分、福岡市博多区、小手川太朗撮影
  • 写真・図版

 自民党の麻生太郎副総裁は8日、派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正をめぐり、「民主主義にはどうしてもコストがかかる。将来に禍根を残す改革は断固避けなければならない」と述べた。

 党福岡県連の大会で語った。現行20万円超になっている政治資金パーティー券購入者の公開基準額の引き下げで自民案は当初10万円超だったが、岸田文雄首相が麻生氏や茂木敏充幹事長らの反対を押し切り、公明党が主張する5万円超を受け入れた。麻生氏は不満を募らせており、首相の対応を暗に批判したとみられる。

 麻生氏は裏金事件について「国民の政治不信を招く事態になり、党執行部の一員として心から申し訳なく遺憾に思っている」と謝罪。その上で政治資金について、秘書や事務所経費、後援会活動などを挙げ、「どうしてもコストがかかる」と強調。「広い地域をくまなく歩いて声を聞き、それを政策として形にしていかなければならない」と説明した。

 麻生氏は、5万円超への引き下げで名前の公表を恐れる購入者の買い控えが起き、政治資金の減収が指摘されることを念頭に「国会議員をめざす多くの若者が『政治資金が確保できない』と言って政治(の道)を断念するのは、はなはだ残念」とも語った。

 一方、森山裕総務会長は同日…

共有