
11日午前9時55分ごろ、東京都新宿区高田馬場4丁目の路上で、「女性が男性に刺された」と119番通報があった。警視庁によると、20代くらいの女性が刃物で首や腹などを刺され、意識不明の状態で搬送されたが、その後死亡が確認された。
同庁はその場でサバイバルナイフを所持していた40代の男が刺したことを認めたため、殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。今後容疑を殺人に切り替えて調べる。
男は療育手帳を所持しているといい、同庁が確認を進めている。男は「殺そうとは思っていませんでした」と供述しているという。
女性は動画を配信していたとの情報もあるという。
「男は落ち着いて見えた」
現場はJR高田馬場駅から南西に約350メートル。
現場から50メートルほど離れたビルの2階で仕事をしていた建設会社の男性(53)は、午前10時前ごろに外で「わー」「ギャー」「助けてー」という女性の叫び声を聞いた。
叫び声は数十秒続き、慌てて窓際から外をのぞくと灰色のスウェット姿の女性が仰向けに倒れていた。黒っぽいダウンコートを着た男がすぐそばに立ち、上からのぞき込んでいたという。
男性は「何か女性に声をかけているように見えた。男はとても落ちついて見えて、介助しているのかと思った」と話す。
周辺では通行人が電話をかけるなどしていた。5分ほどして警察官が駆けつけ、男に事情を聴き始めたという。
現場近くには学校があり、通学時間帯は学生の往来はあるが、それ以外の時間帯は、比較的人通りも少ないという。男性は「こんな身近で事件が起きるなんて。あの女性のものすごい叫び声が頭から離れない」と話した。