大分県立高校の入試で、部活動強化のため特定の生徒に一律で得点を与え、文部科学省から不適切だとして県教育委員会が指導されていたことがわかった。

 公立高校における部活動評価の実態やその是非について、「内申書を問う」(有斐閣)の共著がある田中耕治・佛教大客員教授(教育評価論)に聞いた。

 ――高校入試の合否判定に部活動やスポーツ活動を用いるようになった経緯は。

 部活動は内申書(正式には調査書)に記載される多様な事項の一つです。内申書が導入されたのは1927年のこと。当時、学歴競争が深刻化し、「受験ノイローゼ」などが問題になっており、学科試験によらず人物を総合的に考慮するのが目的でした。

部活動実績の偏重、「基礎学力軽視の恐れ」

 その後、学科試験と内申書の…

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