「世代最強のランナー」
京都・洛南高校時代にあまたの記録を更新し、そう呼ばれたのが駒大の佐藤圭汰(3年)だ。
記録メーカーだった。3年生で迎えた7月、1500メートルで3分37秒18をマークし、高校男子日本記録を22年ぶりに更新したのを皮切りに同年10月には5000メートル(13分31秒19)、11月は3000メートルで(7分50秒81)と中長距離の3部門で高校記録を樹立した。
「入学時から闘争心を持っていた」と洛南の奥村隆太郎監督(38)は振り返る。「ものすごく走ることが好きな子で、人一倍練習もやるぞっていう意志が強かった」
あまりにも練習するので、「落ち着け、落ち着け、と練習を止めるのが私の役目だったかな」。
佐藤のすぐ目の前に大きな目標がいた。
2学年上の三浦龍司(SUBARU)だ。のちに東京、パリと2大会連続でオリンピック出場を果たす先輩をライバル視していた。
奥村監督は、ある3000メートルの記録会に2人が一緒に出場したときのことを思い出す。
他の選手たちが、快走する三…