写真・図版
小幡秀夫さんとオオカミ犬=2024年10月2日、千葉県富津市西大和田、堤恭太撮影

 農作物を食い荒らすイノシシやシカといった有害鳥獣。捕まえても、その後の処理に頭を抱えてしまう。

 その多くが埋設処分されているが、千葉県富津市ではそのうちシカの約半数が富士サファリパーク(静岡県裾野市)でライオンのエサになっている。

 有害鳥獣とはいえ、命を無駄にしない――。

 課題もあるが、そんな取り組みが広がっている。

地元猟友会から分けてもらい

 シカをさばいてサファリパークに納品しているのは、死んだ獣の給餌(きゅうじ)促進事業を富津市で営む「ドム・アンド・ロイ」代表の小幡秀夫さん(54)だ。元々は勤め人で、7年ほど前からオオカミ犬を飼い、エサとして地元猟友会から駆除したシカの肉を分けてもらったのがきっかけだった。

 そのうち、処理に困ったシカがどんどん持ち込まれるように。そこでサファリパークに連絡したところ、引き受けてもらえることになった。

 処理した肉は、2メートル四方の大型冷凍庫で保管し、パーク側の注文に応じて運び出すという。

費用負担など課題は山積だけど…

 市で昨年度捕獲された有害鳥…

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