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飼育員からもらったリンゴを食べながら来園者に応えるレッサーパンダ=2024年10月17日午後4時36分、大阪市天王寺区の天王寺動物園、黒田陸離撮影
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 天王寺動物園(大阪市天王寺区)で飼育されている動物用のエサを盗んだとして、大阪府警が同園の40代の飼育員の男性を窃盗容疑で書類送検していたことが、捜査関係者への取材でわかった。

 捜査関係者や園によると、男性は10月1日、園内の調理場から動物のエサ用の野菜や果物を盗んだ疑いがある。それ以前にも複数回にわたり、同様に野菜や果物を盗んだ疑いでも追送検された。

 園の調査に対して男性は盗んだことを認めているという。男性は10年以上、飼育を担当していた。

物価高騰、エサ代にも影響

 天王寺動物園では約11ヘクタールの広さに、約170種類計1千の動物が飼育されている。

 開園は1915年。上野動物園と京都市動物園に次ぎ、国内で3番目に歴史がある。昨年度の入園者数は上野動物園は約326万人、天王寺動物園は約171万人だった。

 天王寺動物園で動物に与えるエサは白菜やサツマイモなどの野菜、リンゴやバナナといった果物のほか、肉や魚、草など100種類以上に及ぶ。

 野菜や果物はほとんどが人間も食べられるものだ。安福潔副園長によると、嗅覚(きゅうかく)が鋭い動物は鮮度がよくないと口をつけないといい、病気を防ぐためにも「上等なものを用意している」という。

 近年の物価高騰はエサ代にも影響している。昨年度の購入量は野菜が1日あたり約82キロ、果物が同34キロ。1日25万円を超え、2021年度から2万円ほど値上がりしたという。

調理場出入りの飼育員は40人

 異変があったのは9月上旬の…

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