厚生労働省が入る合同庁舎=東京都千代田区
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 会社員らが入る厚生年金の適用対象拡大を巡り、厚生労働省は1日、有識者らによる議論を報告書の案としてまとめた。5人以上の個人事業所は一部業種が対象だが、条件を撤廃し、農業や理美容業なども含めた全業種を対象にする方針を示した。年末に向けた制度改正の議論に反映する。

 個人事業所については、従業員5人以上の場合、弁護士や製造業などの17業種に限って厚生年金への加入を義務づけている。飲食サービス業、農業や漁業、理美容業、宿泊業などは「非適用」業種として対象ではない。報告書案では、これら非適用業種について「解消の方向で検討を進めるべきだ」と明記した。

 パートやアルバイトといった短時間労働者の適用拡大も進める。厚生年金の加入対象はフルタイムで働く会社員だが、主に「従業員101人以上の企業で週20時間以上働き、月収8万8千円以上の人」も加入対象にしている。うち企業規模の条件は10月から「従業員51人以上」に拡大される。報告書案では、企業規模条件を撤廃する方針を盛り込んだ。

 ただ、新たに適用対象となる…

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