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食品ロス問題を提起するポスターを示す生徒たち=2025年2月13日午前11時11分、和歌山県橋本市高野口町向島、大野博撮影

 食品ロス削減、災害避難所の運営、インバウンド対策。和歌山県立橋本高校の生徒たちが様々な社会的課題について探究した学習の発表会が13日、橋本市内であった。

 2年D組1班の生徒4人は、2021年度の国内の食品ロス量が523万トンに達し、国連機関が世界で実施している食料支援の総量(440万トン)を上回っていることに衝撃を受けた。この数量を分かりやすく実感してもらおうと、「毎日捨てられる1億2千万超のおにぎり」と表現したポスターを作製。市社会福祉協議会に連絡をとり、寄付された食料品を子ども食堂などに届ける「フードドライブ」の運用状況も調べた。

 1年D組7班の5人が掲げたテーマは「無駄のない避難所生活」。能登半島地震で発生した災害ごみが、平時に石川県で出るごみの7年分に達したというデータを目にしたのがきっかけだった。使用済みの使い捨てカイロをトイレの消臭剤として活用したり、ペットボトルでランタンを作ったりするリサイクルの方策をまとめた。

 2年A組7班の3人は、電車内でマナーの悪い外国人旅行客を見かけた。そこで高野山と山麓(さんろく)の観光パンフレットを作り、スマホでQRコードを読み込むと公共の場でのマナーの注意喚起が4カ国語で表示される、ひねりの利いた解決策を提案した。

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