韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が出した「非常戒厳」をめぐり、尹氏を内乱容疑などで捜査している「高位公職者犯罪捜査処」(公捜処)は4日、大統領警護処が3日に尹氏の拘束令状の執行を阻んだことを受け、大統領の権限を代行する崔相穆(チェサンモク)経済副首相兼企画財政相に対し、令状執行に協力するよう警護処への指揮を要請する文書を送った。
尹氏への令状執行にあたっては警護処が壁になっており、公捜処などの合同捜査本部は崔氏の対応も見つつ、6日が有効期限の拘束令状の扱いを判断するとみられる。
一方、令状執行を妨害したとして特殊公務執行妨害の疑いで警察から4日までに出頭を求められていた警護処長と次長は、この日の出頭に応じなかった。
韓国メディアによると警護処は4日、「現在は大統領警護業務と関連して重要な時期であり、警護処長と次長はひとときも席を空けられない」との立場を表明。これに対し、警察は処長に7日まで、次長に8日までに出頭するよう再び求めた。
聯合ニュースによると警護処は3日、「今後も警護任務に万全を期す」と表明しており、再び令状の執行を試みても阻む意思を示したとみられている。