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韓国のソウルで2024年12月4日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の退陣を求める集会に参加する人たち=ロイター
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 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は4日未明、前夜に宣布した「非常戒厳」を解除した。国会の解除要求決議を受けたもので、戒厳のために投入した軍も撤収させた。野党は「内乱行為」だとし、尹氏が辞任しなければ弾劾(だんがい)手続きを進める構えだ。与党内からも事態の責任を問う声が出ており、与党側の対応が焦点になる。

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 尹氏は3日夜、国会で野党が政府官僚らの弾劾訴追を進めて行政府をまひさせ、予算も政争に利用しているなどと批判。「自由憲政秩序を守るため」として憲法に基づいて非常戒厳を宣布した。戒厳司令官が出した布告令は、一切の政治活動を禁じ、メディアも統制を受けるとの内容だった。

 しかし、国会(定数300)は4日未明に解除要求決議案を可決。採決に参加した190人全員が賛成した。これを受け、尹氏は宣布から約6時間後に非常戒厳の解除に追い込まれた。

 尹氏は4日午前に参加予定だった行事を延期し、公の場に姿を現していない。大統領府内にも動揺が広がっており、韓国メディアによると、室長や首席秘書官らが一斉に辞意を表明した。

 政権与党・国民の力の韓東勲(ハンドンフン)代表は非常戒厳の宣布を「違法、違憲」とし、「国民の自由と権利を制限するいかなる軽挙妄動もしないことを強く要求する」とした。

 最大野党・共に民主党も、今回の非常戒厳の宣布は必要な要件も満たしておらず、「重大な憲法違反」だと指摘。「深刻な内乱行為で、完璧な弾劾事由だ」とし、尹氏がただちに辞任をしないなら弾劾手続きに入るとしている。

 今回の非常戒厳の宣布は、国…

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