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大学修学能力試験の会場にパトカーで送り届けられる受験生=2024年11月14日、ソウル、太田成美撮影

 韓国で14日、日本の大学入学共通テストにあたる大学修学能力試験があった。約52万人の出願者のうち、浪人生が20年ぶりに16万人を超えた。韓国メディアは、尹錫悦(ユンソンニョル)政権が打ち出した医学部定員の大幅増が背景にあるとの見方を伝えている。

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 14日朝、受験会場となったソウルの高校前にはパトカーが次々と停車し、遅刻しそうな受験生を送り届けた。警察官は「試験頑張って」と声をかけていた。

 日本以上の「学歴社会」とされる韓国では、大学入試が人生を左右するともいわれ、ボランティアの市民を含めて、今年も官民を挙げて受験生をサポートする光景がみられた。

 尹政権は今年2月、医師不足を解消するためとして、医学部の定員を現行の6割超となる、2千人増やす方針を発表。医療界が強く反発し、研修医が職場を離脱するなど混乱が長期化しているが、尹政権は来年については募集人数を約1500人増やすことを決めた。

 韓国メディアは、定員増によって医学部を受験する浪人生が増えたとみられるほか、通っていた大学を辞めて再び挑戦する人もいると指摘している。(ソウル=太田成美)

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