【動画】北朝鮮への軍事宣伝放送の再開に備えた韓国軍の訓練の様子=韓国軍合同参謀本部提供

ソウルで2024年6月8日夜~9日に発見された北朝鮮の「汚物風船」の中身=韓国軍合同参謀本部提供
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 韓国軍合同参謀本部は9日、北朝鮮がゴミなどをくくりつけた「汚物風船」を再び散布したことへの対抗措置として、南北の軍事境界線付近に拡声機を設置し、軍事宣伝放送を再開したと発表した。放送実施は2018年以来。北朝鮮は強く反発しており、南北の緊張がさらに高まる可能性がある。

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 韓国軍によると、北朝鮮は8日以降、韓国に向けて約330個の汚物風船を飛ばした。うち約80個がソウルなどに落下した。風船にぶら下げられた中身は紙くずやビニールなどで、有害な物質は確認されなかったという。このほか、北朝鮮は9日夜にも汚物風船とみられるものを韓国に向けて飛ばしたという。

 韓国の脱北者団体が6日、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)体制を批判するビラ20万枚や、K―POPやドラマ「冬のソナタ」の動画を保存したUSBメモリー5千個などを大型の風船を使って飛ばしたことへの反発とみられる。

 韓国大統領府は9日午前、国家の安全保障に関する会議を緊急開催。「国民の不安や社会の混乱を引き起こそうとするいかなる試みも容認できない」とし、宣伝放送の再開を決めた。

 韓国軍は再開に先立って訓練…

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