演台に立った金竜顕(キムヨンヒョン)国防相の顔は、誇らしげに見えた。
「K防産は輸出の対象国を持続的に拡大しており、その競争力を全世界に立証している」
「K防産」とは韓国の防衛産業を指す。「K」は韓国を意味し、「防産」は防衛産業の略だ。KポップやK文学と同じような呼び名が、関係者やメディアの間では定着している。
韓国中部の忠清南道・鶏竜で10月初旬に開かれた国際防衛産業展「KADEX」。金国防相はその開幕式で、K防産の長所をアピールしつつ、27カ国の国防関係者らを相手に韓国製の兵器の売り込みを図った。
KADEXは陸軍の関連団体によって主催され、韓国を中心に15カ国から365の企業がブースを出した。会場には、最新型のドローン(無人機)や軍用車両、銃、エンジンなど様々な武器や防衛関連機器が並んだ。
カナダから来たという企業幹部は、小型の偵察用ドローンの説明を韓国企業の担当者から熱心に聞いていた。「なぜわざわざ韓国まで?」。記者が尋ねると、「韓国の兵器はとてもスマート。それに、性能の割には高くない。とても魅力的だ」と答えた。
会場は多くの人たちでにぎわった。ただ、こうした韓国の兵器は、昔から注目されていたわけではない。輸出が大幅に伸びたのは、10年余り前からのことだ。
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ゲリラの侵入がきっかけ、トップセールスで輸出増
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