写真・図版
エバンス・リビア氏=本人提供

 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣布をめぐり、韓国の国会は14日、2度目となる採決で、弾劾(だんがい)訴追案を可決しました。米国の国務省朝鮮部長などを務めたエバンス・リビア元国務次官補代理は、今回の事態が「米韓関係を揺るがすパーフェクトストーム(最悪の事態をもたらす完全な嵐)になるかもしれない」と語ります。

 ――今回の韓国の混乱をどうみていますか。

 尹氏と一部の軍隊の動きは明らかに民主主義を傷つけました。米国はこの事態を予想できず、米韓関係に悪影響を及ぼしました。米政府の高官や外交官たちは、何が起きているかを把握するため、韓国側に連絡を取ろうとしましたが、非常に苦労したそうです。米国はこの事態への不満を非常に明確にしています。

 尹氏の行動は、次の大統領選挙で野党(共に民主党)が権力を握る扉を開くものでした。数カ月後に大統領選が行われる可能性は十分あります。

 野党は最初の弾劾訴追案で、日韓関係の正常化や日米韓3カ国協力への尹氏の努力を、非常に具体的に批判しました。共に民主党が政権に返り咲けば、尹政権の最も重要な成果のいくつかを台無しにする政策を取ることになるでしょう。

 尹政権下で、日米韓は中国との関係やウクライナの問題で非常に緊密に調整してきました。私の大きな懸念は、今後数日間の事態ではなく、共に民主党が権力の座に返り咲いた場合、数カ月の間に何が起こるかということです。

 トランプ次期米大統領は、韓国をそれほど重視しない可能性があります。「共に民主党の韓国大統領は反米、反日だ」という評判が立つかもしれません。今回の事態は、米韓関係を揺るがす「パーフェクトストーム」になる可能性があります。

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 ――韓国の民主主義にどのよ…

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