韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が出した「非常戒厳」をめぐり、計画を事前に謀議した疑いがもたれている軍の大佐が容疑を認めて謝罪の意を表したと、弁護士が20日に明らかにした。弁護士によると、選挙管理委員会を掌握するために職員に対し、結束バンドなどで自由を奪うことなども検討していたという。
韓国メディアによると大佐は、非常戒厳が出される2日前の1日、軍の元情報司令官らとソウル近郊のハンバーガー店で会い、選管のサーバー確保などを指示されたとみられている。
弁護士は20日、大佐が元司令官らからの指示で名簿の確認や職員の統制方法などを検討し、職員に対して結束バンドやマスク、頭巾などを使うことなども議論していたと明らかにした。
尹氏は非常戒厳を正当化した12日の談話で、選挙不正があった可能性に言及。非常戒厳を出した際には実際に戒厳軍を選管に向かわせていた。与党が大敗した4月の総選挙をめぐり、尹氏の支持層の一部が「不正選挙」を主張しており、その影響が指摘されている。