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60年以上国内トップを守ってきた静岡県内の荒茶生産量が昨年、鹿児島県に抜かれた。価格下落を防ごうと、県内で二番茶以降の生産が抑えられたことが大きいが、日本一の茶どころと自負してきた地元には文字通り、衝撃が走っている。
荒茶は、茶葉を製品として仕上げる前のもの。農林水産省によると、2024年に県内で生産された荒茶は前年より5%少ない2万5800トン。一方、前年まで2位だった鹿児島県は3%増えて2万7千トンになった。調査を始めた1959年から初めて首位を奪われた。
主な産地で昨年生産された荒茶は6万6900トンと2%減った。県別のシェアは鹿児島が40%、静岡が39%、三重が8%になった。
生産期別で生産量をみると、首位を明け渡した背景がみえる。一番茶は静岡県が1万トン(前年比940トン増)で、鹿児島県の8450トン(同10トン増)を上回った。しかし、静岡では雨の影響で収穫時期が遅くなって品質が低下。静岡県経済連によると1キロあたりの平均単価は前年より192円安い1763円と記録的な安値にみまわれた。
二番茶ではさらなる価格下落…