青森市議会の本会議場で意見を提案する小中高生たち=2024年11月16日、青森市、渡部耕平撮影

 小学生や中高生が市議会の本会議場で意見を提案する「青森市子ども会議フォーラム2024」が16日、青森市で開かれた。地域活性化のアイデアとともに、児童生徒たちが熱心に訴えたのは「子どもの権利の保障」だった。「すべての学校で、先生と生徒が一緒に考える機会をつくってほしい」と願いを伝えた。

 子ども会議は、小中高生の声を市政に反映させるため、市が設けたグループ活動。市内の学校から約30人が参加して4月に活動を始め、地元の課題を調べたり、市民の声を聞いたりして、市の問題点や解決策を探ってきた。

 その集大成が、年に1度の「フォーラム」。小中高生が市議会の議場で提言し、市長や教育長から答弁を引き出した。

 生徒たちは、市の「子どもの権利擁護委員」にインタビューした内容を紹介。擁護委員は「子どもは社会の未来そのものだから、大事にしなければいけない」と語っていたという。

 その言葉に感銘した経験をもとに、「もっと多くの人に子どもの権利を意識してほしい。そういう気持ちが芽生えました」と述べ、「すべての学校で考える機会をつくってほしい」と提案した。

 市側の答弁で、工藤裕司教育長は「大賛成です」と伝えた。「子どもの権利の学習は、いじめのない学校づくりにも大切です。各校で確実に行われるようにしたい」と約束した。

 西秀記市長も「子どもの権利を生かせる環境をつくることが必要。生徒と先生が一緒に考えることは、とても重要だと思います」と答弁した。

 会議を終え、筒井南小5年の中沢晴(はる)さん(11)は「私たちの声が市長さんに届いて、うれしかった。学校から、いじめや不登校がなくなるように改善していってほしいです」と話していた。

 筒井小6年の太田寛人(ひろと)さん(11)も「議場で、じかに話し合うことができてよかった。学校でのSOSの出し方や、子どもの権利について話し合う機会をもっと増やしてほしい」と願っていた。(渡部耕平)

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