
早春の恒例イベントとして定着している復興支援コンサート「Harmony for JAPAN」が、去る3月1、2日の2日間、京都府長岡京記念文化会館で催された。東日本大震災の被災地の合唱活動に対する復興支援を掲げ、2012年に第1回を開催。コロナ禍での中止を経ながら今年で11回目を数える。被災地から合唱団をお招きし、演奏とともに体験談や復興への取り組みについてのお話をうかがうことが習わしとなっている。
今回は福島県から安積合唱協会、石川県から金沢大学合唱団の皆さんにお越しいただき、交歓の時をともにした。復興支援を掲げた催しではあるが、主催者側が何かして差し上げるというよりも、被災地の様子を知ること、忘れないこと、復興に向けたさまざまな取り組みから学ぶことの方が大きいと感じている。
私がこの催しに初めて参加したのは2013年だった。震災から2年が過ぎていたが、熱を帯びた記憶の粒子が会場にもうもうと立ちこめるような雰囲気があった。
その年の招待合唱団だった福…