政府は、8~10月に再開する電気代の負担軽減策について、1キロワット時あたり3.5円を補助する案を軸に調整に入った。家庭向け電気料金の1割程度に相当する。ガス代の補助額は1立方メートルあたり15円を軸に検討。政府が標準世帯の使用量として示すケースでは、電気代は月1400円、ガス代は450円安くなる。与党と調整を進め、月内にも決定する方針だ。
電気・ガス代の補助は、ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格の高騰を受けて、2023年1月使用分から続いてきた。政府は高騰が一服したと判断し、今年5月使用分でいったん終了したが、岸田文雄首相は今月21日の記者会見で「酷暑乗り切り緊急支援」として再開を打ち出した。政府は、与党とも協議して負担軽減規模を検討。補助額はいずれも4月と同水準を軸に調整している。
首相は25日、首相官邸で公明党の山口那津男代表と会談。電気・ガス代への支援のほか、ガソリン代補助も年内いっぱい継続する方針を伝えた。財源は既存の予算に加え、予備費を活用する方向で、計2兆円規模にのぼる見通しだ。
与党側が週内に考えをまとめ、政府側と早期の合意を目指す。秋に自民党総裁選が控える中、再選を目指す首相の「ばらまき政策」との指摘も一部にある。山口氏は会談後、「夏場の緊急対応であり、総裁選とは関係ないと思う」と記者団に述べた。(西村圭史、鬼原民幸)