首相官邸に入る岸田文雄首相=2024年6月25日午前9時52分、岩下毅撮影

 岸田文雄首相が「酷暑対策」として再開を表明した電気・ガス料金の補助に、政府与党内で困惑が広がっている。一貫性を欠く補助再開に「政権の延命策か」といぶかる声があがるほか、自ら旗を振る脱炭素社会実現の政策にも逆行する。唐突な表明も「調整不足」の批判を招いている。

 「国会開会中に議論すべきだった」「行き当たりばったりだ」

 25日の自民党政調全体会議。出席議員から首相の判断に指摘が相次いだ。補助を再開すること自体への反対は少なかったが、身内から公然と疑問が呈された格好だ。

 電気・ガス料金の補助は「資源高騰は一服した」(経産省幹部)との判断から、5月使用分でいったん終了していた。それから、わずか3カ月後の再開に何があったのか。

 複数の政権幹部によると、木…

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