使用済み核燃料が搬入される中間貯蔵施設=2018年11月26日、青森県むつ市、朝日新聞社機から

 使用済み核燃料を保管する、青森県むつ市にある全国初の「中間貯蔵施設」が動き出します。原子力の専門家らは「原発を動かしたい電力会社にとってはプラス」とみる一方で、その背後に横たわる重い課題を指摘します。

 この施設は、東京電力と日本原子力発電が出資する「リサイクル燃料貯蔵(RFS)」が運営。核燃料の保管容量は3千トンで、将来的に5千トンまで増やす計画だ。今回、東電の柏崎刈羽原発(新潟県)で保管していた使用済み核燃料69体が輸送されたという。

 「電力会社にとってはプラスだ」。中間貯蔵施設の稼働について、長崎大の鈴木達治郎教授(原子力政策)はこう語る。

 日本では使用済み燃料プールが満杯になった原発は、運転できなくなる。全国の原発で使った核燃料を受け入れるはずの日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)は完成が遅れているため、電力各社は核燃料の搬出先を確保できずに困っているのが現状だ。

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