記者会見する井出安優香さんの母・さつ美さん(手前)と父の努さん(左から2人目)。さつ美さんは安優香さんの写真を抱え、「(安優香さんには)11年間幸せだったと伝えたい」と涙ながらに語った=2025年1月20日午後3時37分、大阪市北区、華野優気撮影

 障害を理由に当たり前のように「逸失利益」を減じる発想を改め、娘と、変わりゆく社会と向き合ってほしい――。そんな遺族の訴えを、20日の大阪高裁判決は正面から受け止め、「減額」できるケースを限定した。識者は「一つの到達点」と評価した。

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 法廷で判決を聞き終えた井出安優香(あゆか)さん(当時11)の母さつ美さんは、涙を拭いながら、裁判官に感謝の言葉を伝えた。「安優香の気持ちを代弁して、自然と口から出た」と記者会見で明かした。

 生まれつき重い難聴があった安優香さん。小学校の「自主勉強」には毎日欠かさず参加した。通信教育で使うタブレット端末は、使い方を教わらなくても自由に使いこなしていた。さつ美さんは「私の不安を安優香が全部解消してくれた。できるよ、分かるよっていう姿をたくさん見せてくれました」。

「安優香、裁判官が認めてくれたよ」

 「人が好きな子だった」という。

 補聴器を着けている人には年…

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