更年期障害と思い込んでいた。ピアノの鍵盤をたたく指が思うように動かせない。歩くと転びそうになる。だが病院の診断結果は国指定の難病であるパーキンソン病だった――。病気の告知を受けて、目の前が真っ暗になった東京都府中市を拠点とするシンガー・ソングライターshifo(本名・岩水志保)さん。引退を考えたが、大学時代の同級生に背中を押され、新作CDを完成させた。

 パーキンソン病と診断されたのは、昨年12月。自ら作曲した「気分上々↑↑」が日本レコード大賞の金賞を受けたのは30代半ばだった2006年のこと。それから17年。音楽界からの引退を考えた。

 どん底から引き戻してくれたのは、国立音楽大学時代の同期、山崎ふみこさんだった。都内のステージで打楽器ビブラフォンを奏でる音楽家。共演で音楽アルバムCDを制作しないかと直前に持ちかけていた。

 「まだやることあるでしょう」

 そう言って、落ち込むshi…

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